宝石の資産価値に関する考察

宝石を資産価値としてみるならば、決して割の良い商品ではありません。 何故なら有価証券や金などと違い、私達が自由に市場に参加して、買手あるいは売手になる事が出来ないからです。 これは私達、消費者にとって非常に不利な点です。 これでは購入の際は高く売りつけられ、逆に売却の際に相手に買い叩かれてしまうのも無理はありません。 また保管に於いて欠損した場合、重量で価値が産出される金とは違い価値は大きく下がる事になります。

では資産価値から宝石を選ぶのは無謀な行為でしょうか?

それは個人の判断に拠る所が大きいでしょう。 優れた美術・骨董品がそうであるように、あなたが保有している間はその美しさを楽しむ事が出来ます。 その事を資産と捉える方もおられると思います。 また将来的に市場が確立される可能性も充分にあります。 ITが急速な発達を見せる今、宝石はあなたから次の人へと手渡り、それが循環し市場を形成していく事は決して難しい事では無くなっています。 そうやって代々受け継がれ永続的に輝きを残すようになれば素晴らしい事だと思います。 ただし、金銭に換える事を目的とした資産価値であるならば、やはり現状難しいと判断した方が安全だと思います。


資産価値のある宝石

資産価値のある宝石として、希少価値あるいは価格の高い宝石を思い浮かべる方は多いと思います。 本来、資産価値とは買値と売値の差が小さい、あるいはプラスになる物の事です。 いくら売値が高くとも買値が高ければ意味がありませんので、資産価値=高額の宝石という認識は厳密に言えば正しくありません。

しかしながら、現在の日本ではこの認識は正しいと言わざるを得ません。 何故なら安価な石は、高額な石以上に正常な価格とかけ離れた値段でしか売れない為です。 それらの宝石は元々仕入れ値に対して高く売っている場合もあれば、ただ単に安くしか買いとってもらえない場合もあります。 最も多いのは、高く売っておきながら、安くしか買い取りしない場合でしょう。

それらの理由には、一つには上で述べた専門の市場が無い事があります。 ですが、それだけではありません。もしかしたら私達にも原因があるかもしれないのです。 日本には新品主義者が多く見受けられます。 これでは買い取り業者も、中古品としては高く売れないし、再加工して新品として売る際にも、それなりのコストがかかります。 とても残念な事ですが、日本では中古と言うだけで正当な評価が得られない事があるのです。(貴金属の変色等は除く)

そして良質・高額な一部の宝石のみが、この理不尽な影響を軽微に抑える事が出来ます。 (あくまでもデメリットが小さい可能性があるという事です。)


総合

以上のような事から今の日本では資産性を考えて宝石を選ぶことは難しいと言わざるを得ません。 しかしあえて将来的・世界的な資産性を鑑みて選ぶとするならば、下記の選択肢を参照してください。

将来的な希少性 今この瞬間にも世界中では多くの宝石が産出されていますが、中には今後あまり産出が見込めない宝石があるかもしれません。ただし、逆も有り得ます。
美しいもの 宝石である以上、見た目の美しさはとても大事です。人気のカラーやカットなども考慮する必要があります。ただし、美しさの基準は時代と共に変わります。
知名度の高いもの いくら珍しいからと言って、売る際に相手が知らなければあまり意味がありません。多くの人に認知されたものが望ましいでしょう。ただし、認知度が即価格に反映されるとは限りません。
ルース 資産価値を重視するのであれば、よほど有名なジュエリー以外はルースで購入することをお奨めします。 ジュエリーはルース以上に複雑な価格設定がなされており、それだけに買い取る方の判断も複雑化する為です。 詳しくは宝石ジュエリーの適正価格とはを参照してください。

これらの選択肢の内、将来の方向性が明瞭となっているものはありません。 逆に言いますと、これらを断言している業者には注意が必要となります。 (例:ダイヤモンドは価値が落ちない、この宝石は今後採掘される事は無いため希少性が高くなる、等は不当な情報です。) 全ては可能性止まりという事を認識した上での判断が必要となります。

他にも様々な要素を考慮する必要があります。個人的にはそれらいくつかを分散し保有するのが望ましいと思います。


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